不動産を購入する。
日本人には未だに不動産神話が残っています。
平成初期のバブル。つい最近の不動産高騰を見ていても、「ああ、皆。まだ不動産がほしいのだなぁ」と、つくづく感じます。
不動産を「自分のもの」にする事は、良い事だと思います。
将来に対しての安心。
資産形成。
インフレ対策。
自己満足。
私は、不動産を購入するに当り、その行動を否定しません。(不動産業者ですし)
それでも、目的を明確にする必要は有ります。
私自身。不動産購入は何度か経験があります。自宅や投資用。転売用。など。
仲介不動産業者として。今までの、その経験を踏まえて、これから不動産を購入される皆様にお伝えしたい事があります。
不動産購入。
まず、購入に対してメリットがあるか。
よくよく考えた結果、あるいは購入後。結局、賃貸住宅のほうが良かった。となる場合もあります。
なぜ今購入なのか。もういちどよく考えてみましょう。
この先一生、賃貸で過ごすか、今すぐ買わなくてはいけないなんて、実はその人自身も判断し難い事なんです。
人生は山あり谷あり。
今年良くても来年どうなるかわかりません。
アメリカのサブプライムローン問題がこれほど、日本(世界)経済に影響を与える問題になるとは誰も予想できませんでした。
今後は。雇用、賃金、福祉、税務など予想も出来ない問題が山積みの中。安定して住居を確保する事ができるか。不安に思う人も多いでしょう。
住宅ローンを30年も35年も長く組めない、と考える人もいれば、年をとってから大家さんに気を使って毎月毎月高い家賃を払うのはいやだ!と考える人もいます。
最近は家賃を払うよりも住宅ローンを返済する方が、若干、出費が低いと考え、購入される方が増えました。
現在、不動産購入の下支えと成っているのは低金利です。
世界同時不況に翻弄される日本経済の状況を中短期的に見ると、簡単に経済産業・社会構造が好転するとは考えられません。まだしばらくは低金利で推移されるものと推定いたします。
しかし、いつかは金利上昇の時期が来ます。3年後?5年後?10年後?
住宅ローンは20年~35年など、長期間です。
通年固定。という選択もあります。フラット35などはとても使いやすくなっています。でも金利はちょっと高め。
家賃は下がっています。今も。供給過多が原因です。当然、収入の減額。公共料金の値上げ、保険、年金負担、課税の増額も賃貸市場には大きく影響しています。
どちらが良いのでしょう。
それは、あなたが決めることなのです。
よく週刊誌などで「賃貸派」「購入派」などと試算表を作り、トータル「**派」の方がこれこれ有利、なんてやっていますが、この計算は「自分の死亡時期」や「将来の家族人数」その他、不確定要素がありすぎて判るわけはありません。
まずは自分の将来設計をしっかりと想像することができる人だけが「うっすら」と見えてきます。
大体、この時期に結婚し、子供は何人くらい、もしかしたら母親と同居しなければならないかもしれません。10年後には給料がこの程度にはなっているかもしれないが、もしかしたら独立しているかも。だって、今いる会社は退職金をカットするかもしれないから。もしかしたら、会社自体が存在していない・・・・・。なんて可能性も大きくなっています。上場会社の倒産など、最近はニュースネタにもなりません。
自分の健康に余り自信のない人(成人病予備軍が多い日本では)は、早めに住宅ローンの「団体生命保険」が効くうちに買おうと思う人もいます。これは、万が一債務者が死亡した場合、残りの残債を保険で支払ってくれるもので、夫婦での【個別債務】でない限り、残った家族はその後、住宅ローンを支払う事はありません。最近では3大・成人病に(ガン・脳卒中・急性心筋梗塞)にかかったらローンを肩代わり!などという住宅ローンもあります。
世の奥様は、この理由により「早く、家を買おうよ!」とせがむ方が多いようです。でも、一般の生命保険料と家賃を払った方が安い場合もありますが、あまり深く比較したりしません。
不動産業者はそんなことを指摘しません。
家賃は捨て金だと思う人が多いようです。
でも、30年の住宅ローン金利(最初の10年位は特に)も銀行の利益として確実に捨て金です。自己資金のみで購入すれば支払わなくてもよいお金です。
返済金額が一定な【定額返済】(元金均等返済)は、計画は立てやすいのですが、初期から返済金額がかさみます。仮に、3,000万円を35年、3%金利、毎月均等で返済する場合。元利均等:約115,500円 元金均等:146,400円、となります。金利負担は35年で、約270万円ほど元金均等のほうが安くなります。
10年くらいで買い換えようか、と考えていると、思いのほか元金が減っていないので、かなりの自己資金が必要になる場合があります。
また、何かしらの事情で売却して借金を返済しようと思ったら思いのほか安く、売っても返済できない!などという状況になる場合があります。
そのような事は、こちらから訊ねないと銀行員さんも不動産業者も教えてくれません。
自分で調査し判断しなければ誰も教えてくれないのです。
この町に一生住むか。
家族は何人くらい必要か。
収入は将来に向けて安定しているか。
退職金はあるか。
適当な賃貸住宅は少ないか。
自己資金はあるか。
そして一番大事なのが、
今、購入するに値する不動産が存在するか。
です。
これが無ければ、気にいらなくてもずっと賃貸住宅に住むべきなのです。